いちごのうたのおめんがつくる風景
イベントなどで無料配布している、『いちごのうた』のおめん。
とてもシンプルな、紙のおめんです。でも、このシンプルさがなかなか面白い。
『いちごのうた』を知らなくても、「いちご」というだけで親しみやすい。使い方を説明する必要もなく、受け取ったらその場でかぶれます。
歌を知っている人も、知らない人も関係ありません。子どもを中心に配っていますが、大人から「欲しい」と声をかけられることも珍しくありません。
おめんをかぶって楽しいのは、本人だけではないと思います。
会場のあちらこちらに、同じいちごがいる。
それを見ている人も楽しいし、写真を撮る人もいる。歌の説明をしなくても、いつの間にか風景の中に『 いちごのうた』が見えるようになります。
これが、いちごの力です。
思っていたより、ずっと残った
最初は、イベントでその場を楽しむためのアイテムのひとつでした。
ところが、配り始めてみると、少し違いました。
のぶおさんやのぶおばんどのメンバーにサインを書いてもらい、そのまま持ち帰る人がいました。しばらくしてから会ったときに、「家にあるよ」「取ってあるよ」と教えてもらうこともあります。
使い終わったら捨てられるものだと思っていたのに、家に残っている。
高根沢町立北小学校では、いちごのうたプロジェクトからおめんを配ったわけではありませんが、先生が子どもたちのために独自のおめんを作っていました。
こちらで作ったものを受け取るだけではなく、自分たちで作って楽しむ人まで出てきたわけです。 おめんを作ったときには、ここまで考えていませんでした。
イベントで見かけたおめんが家に残り、こちらが用意していない場所にも同じいちごが現れる。その場で終わるものではなかったのだと、あとになって気づきました。
無料で配るために
『いちごのうた』は、誰でも自由に楽しみ、活用できるようにしています。
お金がかかることが、誰かが歌を楽しめない理由にならないようにしたい。おめんも同じ考えで、無料で配っています。
イベントで見かけて欲しいと思ったら、そのまま手に取ってもらえます。
もちろん、無料で配るためにも、作るためのお金はかかります。
最初の1,600個は、さのかさん、キャッサバ部さん、0909算数数学教室さん、加藤いちご園さんから協賛をいただいて作りました。
組み立ても、すべていちごのうたスタジオだけで行っているわけではありません。
イベントでボランティアのみなさんに手伝ってもらったり、ちょっ蔵情報発信館では中高生のボランティアが作業したこともあります。社会福祉法人恵友会「いぶき」には、障害者就労支援の有償作業として組み立てをお願いしています。
いろいろな人の手を通ってできたおめんを、また別の人が配り、最後は受け取った人が好きに楽しむ。
無料で配っているおめんですが、作るところからすでに、いろいろな人が関わっています。
1,600個あれば十分だと思っていました
第1期では、1,600個のおめんを約8か月かけて配りました。
主に、のぶおばんどがライブをするイベントで使ってきました。そのほか、一部の保育園や町内の農産物直売所などでも配っています。
始めたときは、1,600個あれば十分だと思っていましたが、足りなくなりました。
おめんを使える機会が、それだけあったということだと思います。
そして、実際に使ってみたことで、数だけでは分からなかったことも見えてきました。
こちらが使い方を細かく決めなくても、それぞれの場所で、それぞれの楽しみ方が生まれる。
単純なおめんだからこそ、そういう余地があったのかもしれません。
そこがおめんの面白いところなのだと思います。
始まりは、まんがの打ち合わせでした
そもそも、おめんを作る予定があったわけでもありません。
2025年7月、いちごのうたのまんがについて、さのかさんと初めて打ち合わせをした日のことです。
話をしている中で、さのかさんから、イラストをおめんにしてみたらどうかというアイデアが出ました。その場にいたひばらさんが、すぐに試作品を作りました。
実物になったおめんを見て、これは面白いと思いました。
そこから実際に作ることになり、最初の1,600個へつながっていきました。
始まりは、雑談の中のひとことです。
それが1,600個になり、いろいろな場所で使われ、最初には考えていなかったことまで起きました。
やってみないと分からないものだと、あらためて思います。
次は4,000個作ります
1,600個では足りなかったので、次は4,000個を制作する予定です。
これまでより配布できる機会を増やしたいことと、まとめて作ることで制作コストを抑えられることから、数を大きく増やしました。
おめんそのものも少し改良するので、今より良いものになるでしょう。
見つけた人が手に取って、その場で楽しむ。その先をどう楽しむかは、それぞれです。
最初の1,600個では、こちらが考えていなかった楽しみ方がいくつも生まれました。
次の4,000個が、どこで、どんなふうに楽しまれるのかは、まだ分かりません。
でも、また「いちごのうたのある風景」は増えていくと思います。
そのぶん、いちご指数も上がるでしょう。
今から、とても楽しみです。

